メモログ

アイドルソング


高速の道中にトンネルを抜ける
対向車とすれ違う度にヘッドライトが眩しく感じる

友達がCDを替える
それがアイドルグループのCDで俺は不満を漏らす
それでももう一人の友達がお前にも好きな曲があっただろうと言う
確かに心当たりのある曲が一曲あった
何かの状況でピンときたというだけでその時俺が何を言ったのかは覚えていない
もしかしたらいい曲だとでも言ったのかもしれない
それでなだめられて結局もう何も言えなくなった
三人の中で俺だけの趣味が合わない
中間で留まるのは長くは続かないということ
片方に寄ると2対1で俺が一人になる

夕日が沈む
そんな気分だ

ここまで長い距離を運転してきた
もう空は暗くなっている
俺が一人で運転している分ナビは他の二人に任せた

途中のサービスエリアでガソリンを入れる
その時間違えてトランクを開けるレバーを引いてしまった
それをわざわざ車から降りて自分で閉めた
友達は大笑いだ
俺には友達にウケたことよりも恥ずかしさのほうが勝った
ガソリンスタンドの店員は見て見ぬふりだ
もしかしたらよくあることなのかもしれない

サービスエリアから高速に合流しなければいけない
この合流がなかなか緊張する

ウインカーを出してミラーを確認して目視でも確認する
教習所で習った手順通りに
遠くの方からヘッドライトの光が大きく近付いて来て少し眩しいような気がして自然と顔をしかめる
さっきの汚名返上とばかりに華麗に合流してみせよう
アクセルをベタ踏みするとエンジンの回転音が車内の音楽をかき消していく
一か八かの感覚でスピードを上げる
とても自然に滑らかに横にスライドしていく
友達の視線を俺は勝手に意識している
この華麗な合流は俺にしかできない
誰も俺のスピードに追いつけやしない

そして俺はうまく合流出来たことに満足気だ
それをアピールするように音楽のボリュームを上げてみせてどうだと言わんばかりでその曲に耳を傾け始める
俺は確実に変化している
友達の表情を確認するまでもない
  • 公開日時:2018/01/13 09:28
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詩を書いています。簡単に読める短い小説のようなものです。 他に小説の読...
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