本記事は、ゼロからモナカードを作成するためのチュートリアルです。monacoinとXMPは持っていないけど、モナカードというものを作ってみたい、という人向けに作成してあります。PCを推奨しますが、スマホからでも可能です。
モナカードの発行方法には何通りかありますが、ここではwebアプリケーション「モナパレット」を使用します。
ここがわかんないとか長文読むのめんどいとかXMP欲しいとかあったら 記事の作者(@flon732) までリプくれればやれる範囲の事はやります。
尚、記載内容にはできる限りの正確性を心がけていますが、本ドキュメントを参照したことで生じた誤解・トラブル・損失等に対する責任は負いません。
更新履歴
20211113 Monacard2.0仕様に手順を修正
こちらで解説しています。
本記事は前回の記事の続きとしての位置づけですが、発行だけしたいならこちらでも内容は十分です。
モナパレット上では、下記の5段階の操作を行います。
1. ウォレットを作成する
暗号通貨やモナカード(monapartyトークン)は、ウォレットと呼ばれる物を介してやりとりされます。読んで字のごとく「財布」に相当するものです。まずはこれを作成しましょう。
モナパレットにアクセスすると、下記のようなトップページに入ります。
「ウォレットをつくる」「ウォレットをひらく」と書かれた欄があります。そもそもまだウォレットを持っていないので、まずは新規に作成しましょう。
「ウォレットをつくる」を押すと、下記の通りパスワードの設定画面に移ります。
好みのセキュアなパスワード(半角英数16文字以上)を入力してから、「ウォレットをつくる」を押してください。
すると、下記のように「ニーモニック」と「クイックアクセス URL」、それに続く注意文が表示されます。
※ニーモニックとクイックアクセスURLを晒すのは、事実上の自殺行為です。今回は例示のため、新規作成した資産0のウォレットで実施していますが、このウォレットは絶対に使用しないでください。
モナパレット上でも書かれていることになりますが、言い方を変えて繰り返します。
上にある「ニーモニック」は銀行の通帳・カード・印鑑・委任状・入出金履歴がすべて一緒になったような存在です。この12単語さえ覚えておけば、あなたのPCが粉々に破壊されても、正しい手順を踏めば新しいパソコンやスマホにウォレットを復旧することが可能です。
逆に、この12単語が失われてしまった場合は誰に泣きついても復旧は不可能です。また、この単語が悪因のある第三者に知られてしまった場合、その第三者によってあなたのウォレットへのアクセスが可能になります。
よって、上記の12単語、「ニーモニック」は、誰にも見られない、かつ破壊・喪失されないような手順で保存しておいてください。例としては 「耐水性の紙に耐水インクで書き、防水ケースに入れてから鍵付きの耐火金庫に入れておく」などがあります。
このニーモニックをトップページの「ウォレットをひらく」の先の画面で入力することで、ウォレットへのアクセスは可能になります。ただし、直に12単語を扱うのはセキュリティ上・利便性上のデメリットが大きいため、それとは別に「クイックアクセス URL」という機能が準備されています。
この「クイックアクセスURL」を経由してモナパレットにアクセスすると、最初に入力した16文字以上のパスワードを入力するだけでウォレットを開けるようになります。
画面に表示されている「クイックアクセスURL」をコピーして、ブックマークへ登録し、その先のページへ移動してください。すると、下記のような画面が現れます。
この画面の「パスワード」欄へ、先ほど入力した16文字以上のパスワードを入力してください。すると、下記のようにあなたの「アドレス」("MKEF~"から始まる34文字の文字列)が表示されます。
こうして、モナパレットのウォレットへアクセスできるようになりました。これは新しいウォレットであるため、「MONA」と「XMP」の残高は0であり、ともに0の値が表示されています。今後は、このアドレスを相手に教えることで、銀行の口座番号の様に入金先を指定できるようになります。また、(残高があれば)ここからの資産の送金も出来るようになります。
(参考:「アドレス」について、モナパレットの様なmonaparty対応ウォレットで生成されたアドレスのことを「monapartyアドレス」と限定して呼ぶことがあります。monapartyに対応していないウォレットへは、カードは送れても取り出すことが出来ないため、事故を避けるための習慣です。)
(参考2:monapartyアドレスを生成するウォレット、すなわちmonaparty対応ウォレットは、現時点ではモナパレットの他に、「Mpurse」「もにゃ」「counterwallet-mona」があります。)
ウォレットの運用については、原則として、クイックアクセスURLをブックマークしておき、パスワードを入力することでウォレットにアクセスする形になります。12単語を頻繁に引き出すのはセキュリティ上推奨されません(おまけに長くて扱いづらい)。
ただし、この操作の実態としては、12単語のニーモニックを分解した形になるので、当該URLとパスワードを知られてしまえば同じようにウォレットは乗っ取り可能です。クイックアクセスURLは鍵ではありませんが、オープンな運用は避け、パスワードも厳重に管理して運用してください。
(尚、クイックアクセスURLは、上記のニーモニックがあればモナパレット内から再生成が可能なため、クラウドとブックマークを同期させていないPCでモナパレットを運用しても、永久に失われる危険性はありません。ニーモニックが保存されている限りは、ですが。)
2. monaとXMPを取得する
monaを入手する一番正当な方法は取引所からの購入ですが、本人確認したりなどそれなりに手間がかかります。現金を払わずに入手する方法としては、下記の方法があります。
一方で、XMPは取引所では扱われていませんが、有志がtwitter上で無料配布しています。
たとえばこちらのツイートへ、あなたのtwitterアカウントから先ほど作成したアドレスをツイートに入れてリプを送ると、あなたのアドレスへXMPが送られます。(モナカードと一緒です)
上の配布は既に空っぽになっていたので、モナパちゃん上の配布を探す方法を記載します。
まずは、モナパちゃんポータルにアクセスしてください。
右上のハンバーガーメニューから"DISTS"を選択すると、複数の画像が表示されます。ここで表示されているのは、有志によって配布されているカードの一覧です。これらの配布の中には、XMPの配布されているツイートも存在します。
まず、気に入ったカードがあったら画像をクリックしてみてください。
すると、当該トークンを配布しているツイートに飛びますので、文章にmonapartyアドレスを含めてリプライを送ってください。当該トークンがあなたのアドレス宛に送られます。
この時に、XMPを配布しているツイートに対してリプライをつければ、カードでなくXMPを手に入れることが出来ます。下の画像がXMPを示すアイコンです。この画像のあるページを探して、画像をクリックし、同じ操作をしてください。
複数の配布ツイートを回れば、50XMPを集めることは可能です。
更に詳しい操作を知りたい人は、すなぎも氏作成の「モナパちゃんマニュアル」を参照してください。
尚、操作が反映されるまでには数分かかります。トークンが送られたことを確認するためには、暫く待ってからアドレスの右上の更新ボタンを押してみてください。
また、各カードの画像は、アドレスの右上にあるカードが重なったアイコンをクリックすることで表示可能です。
3.Monapartyトークンを発行する
ここから、あるカード「NIGHTFLIGHT」を発行するものとして、一連の手続きを追っていきます。
2021/11/13 追記
Monacard2.0と呼ばれるプロトコルの導入により、これまでcard.mona.jpで保存されていたデータがトークンのDescriptionとしてチェーン上に保存できるようになりました。同時に、Monacard1.0と命名された従来のcard.mona.jpへデータを保存する方式は2021/12/31以降は使用できなくなり、既にMonacard1.0として作られたカードのデータはIPFSへアップロードされます。Monacard2.0の仕様の詳細はこちら(https://spotlight.soy/detail?article_id=zkygxqmwt)を、Monacard1.0から2.0への移行については、こちら( https://spotlight.soy/detail?article_id=1nho48f4c )を参照してください。
また、上記の経緯より、ここではMonacard2.0をデフォルトの方法として紹介します。
XMPとmonaを取得した人のウォレット画面は、下記のようになっているはずです。
XMPの欄に表示された、赤丸で囲まれた「+」のアイコンを押すと、このようなウィンドウが出てきます。
ここでは、カードに使うトークンの特性を設定します。各項目の注意事項を書いておきます。
・カスタム/サブアセット/NFT/ナンバー : 命名方法の選択です。「カスタム」では自由な名前を命名できます。ナンバーでは自由な名前は付けられず、「A15164905454969674422 」のような英数字の文字列が自動で割り当てられます。(サブアセットは扱いが特殊なため、今回は説明から省きます) カスタムでの命名には0.550XMPが必要ですが、ナンバーの場合は不要です。
NFT発行では、「グループ名」と「説明」のみを設定することができます。トークン名は「ナンバー」での発行時と同様に自動的に定義されます。NFTとして発行する場合、枚数が1枚であることがMonapartyプロトコル上で保証されます。
発行枚数一枚のトークンと希少性としては同等ですが、1枚であることを強調したい場合はこの方がベターでしょう。
なお、CryptoPunksのようにシリーズ化して発行したい場合は、次回から同じグループ名を選択することで、NFTがシリーズ化されていることを示すことができます。
・Token name : カードにつけられる固有のIDの指定です。カードのタイトルとは別に設定されますが、URLでカードのページを指定するときなどはこの値が使われるため、カードにちなんだ名前にしておくことが多いです。今回は「XAMONGSTARSX」として、12文字制限いっぱいかつ、Xで挟んで無理やりAを使いました。( https://card.mona.jp/explorer/card_detail?asset=XAMONGSTARSX など)
・Description : 由来をかくも良し、フレーバーテキストを打つも良し。そこそこの長さの文章が打てます。
Monacard2.0の導入により、ここにJSON形式でモナカードとしてのデータを入力する仕様に変りました。一般にはトークンの説明を普通の文章で書く箇所ですが、ここでは空欄にしておきます。尚、何かを入力してトークンを作成してしまい、後からモナカードにしてしまっても、上書きして変更することは可能です。
・Amount : 1から2^63-1 までの数を設定できます。但し、Javascriptの仕様上、2^53-1(=9007199254740991) 枚までしかモナパレット上では適切に表示されません。それ以上の枚数は非推奨です。 また、後から追加発行はできますが、削除は出来ません。あまり数を多くし過ぎてもわけがわからなくなるので、同人誌の部数的に50くらいで自分は作っています。
・小数で送れる : デフォルトでは外れています。トークンを小数点以下で送れるようにするか否かのフラグですが、モナカードは仕様上整数でのみやりとりできるため、ここでは外したままにします。後からの変更はできません。
・DEXで売買できる :DEXは「Decentralized Exchange」の略で、非中央集権取引所を示します。取引所への上場許可フラグです。モナパレット(というよりmonaparty自体)には取引所としての機能が備わっており、XMPや他のカードとのトレードが可能です。デフォルトでは許可していますが、自分のカードが取引所で二次流通するのが嫌な場合はチェックを外すことも可能です。後からの変更はできません。
・再移転可否 : 第三者によるカードの流通を許可するフラグです。これを外すと、発行したアドレスからの、又は発行したアドレスへの送付以外を禁止できます。デフォルトでは許可していますが、カードになんらかの意味合いを持たせたい場合に使用可能です。但し、このチェックを外すと、そのカードを受け取った人が、カードの整理のために別のアドレスへ移すことすら不可能になります。後からの変更はできません。また、このフラグを外してもDispenser(後述)を用いた移動は可能なため、根本的な転売対策にはなりません。
さて、とりあえずは名前と枚数を決め、下の三項目はデフォルトの設定としておきます。Descriptionは空欄です。
尚、ここでは「トークンの発行」「モナカードの作成」の二段階に分けた説明のため、あえてここでトークンの発行のみを行っていますが、この後行う「モナカードの作成」を同時に実施することも可能です。手数料0.0005monaを節約したい人は、「Monacard2.0」と書かれたスイッチをOnにして、次のセクションの「設定の入力・画像のアップロード」に進んでください。
ここで「発行する」を押すと、手数料として必要なmonaの量が表示されます。monaを使うのはここともう一か所の計2回で、現時点では合計0.001mona程度ですが、この手数料分のmonaが無ければカードは発行できませんのでご注意ください。
OKを押して発行します。2~3分待ってから、右上の更新ボタンを押してください。
すると、下記の様に「NIGHTFLIGHT」が追加されていることが確認できます。(今回のウォレットは自分のモノを流用しているため、既に他のトークンも存在しています。)
もし上のように「XAMONGSTARS」が追加されない場合、10分くらいしてからアドレスの右上にある更新ボタンをクリックしてみてください。原則、トークンの情報は2~3分で更新されますが、たまに遅れることがあります。
4.モナカードの情報を登録する
この段階ではまだイラストとの紐づけがなされていないので、モナカードではありません。この後、カードとしての情報を登録していきます。
先ほどの手順で作成したトークンに対して、赤丸で囲われた三点のアイコンをクリックしてください。
下のようにウィンドウが出てくるので、右上の鉛筆のアイコンをクリック。
すると、アセットの設定画面が開きます。(コインでないものの、ウォレットの中に入っている「資産」のことをアセットと呼びます。)
ここで、「モナカード2.0の設定」にチェックボックスを入れると、下記の画面に切り替わります。設定の入力・画像のアップロードを実施しましょう。
カード名、登録者名、カードの説明、タグは読んで字のごとくです。思うように入れましょう。タグの一覧はこちら(https://card.mona.jp/explorer/tag_list)が参考になります。
また、画像はドラッグ&ドロップ、又はアップロード欄からクリックして選択でアップロード可能です。
また、これらの項目は後から設定変更可能であり、写真も差し替え可能です。
ただし、一度アップロードした画像はIPFSと呼ばれる分散型ファイルシステムに受け渡され、複数の人間又は法人によって自動的に保存され続けるため、1ユーザからのリクエストによる削除は事実上不可能です。差し替えに際しては、別の画像をアップロードしてそちらを表示するという形になり、前の画像は表示はされなくなるものの、チェーンのデータの見方がわかっていれば閲覧は可能です。
画像のアップロードは、それが自分や他人の不利益にならないか、十分に注意を払ってから実施してください。
ここから「設定する」を押すと、下記のようなダイアログが流れたあと、カードの情報がトークンに対して紐づけられ、モナカードが出来上がります。
・・・といっても、カードの情報がチェーンに反映されるまでには時間がかかります。
2~3分くらいたってから、アドレスの右上、カードの重なったアイコンをクリックしてみてください。
登録している画像が重ねて表示され、カードが出来ていることが分かるようになりました。
以上で、モナパレットでのモナカードの作成は完了です。
5.Dispenserで売りに出す
モナカードはただ作るだけではなく、カードを交換するなどして遊ぶことも可能です。カードをTwitterで配布する方法は「モナパちゃん」が、有償で配布するには、「Dispenser」と「DEX」がそれぞれあります。
今回は、Dispenserで売りに出す方法を記載いたします。
Dispenser 参考画面
Dispenserは、「一定量以上のmonaが送られると、事前に設定したmonapartyトークンを送金元アドレスに送り返すシステム」です。
その性質上、例えば
・取引所からの出金
・monappyからの出金
・どこかの誰かからの投げ銭
などに対して、区別なくmonapartyトークンを送り返してしまうため、不用意な設定はトークンを永久に喪失する危険性があります。(秘密鍵があればトークンをとりだせるケースもありますが、取引所が応じてくれる可能性は0でしょう。)
普段使いのアドレスにDispenserを設定するなどの行為は避けてください。取引所からの出金や、誰かからの投げ銭に返送してしまうリスクが高くなります。
また、理由は後述しますが、Dispenserの設定は原則として一つのアドレスに一つまでにしてください。
モナカードがあるアドレスの右上、横向きの三点のアイコンをクリックしてください。
すると、アドレスに対する操作メニューが表示されます。
ここで、中央下の「自動販売機」をクリックすると、Dispenserの設定画面へ移れます。
ここで設定できるのは、
の4項目です。
値付けはなかなか難しい問題ですが、自分はATCの原画を1枚3000円~で頒布したことがあるので、50枚発行しているなら一枚100円前後くらいが相場かな、と勝手に思っています。あまり少額でも、手数料に埋もれて消えてしまうので、あんまり面白くありませんし。(逆に、1枚で3000円を付けるというのも戦略としてはアリでしょう。)
ここでは、試しにXAMONGSTARSを、0.5monaで1枚、在庫10枚として売ることにしましょう。
下記の様に入力し、「設定する」を押してから手数料画面で「OK」を押すと、この設定はアクティブになります。
設定がうまく行くと、アドレスの下に今販売しているカードが表示されるようになります。
クリックすると、各ペアの残高が確認できます。また、設定を取り消すことも可能です。
ところで、上では「Dispenser」のことを「一定量以上のmonaが送られると、事前に設定したmonapartyトークンを送り返すシステム」とややこしい言い方をしていますが、これには理由があります。
Dispenserはアドレスに対する入金を一様に解釈するため、一つのアドレス上で複数のDispenserを設定していると、一回の入金であっても複数の設定が反応し、カードを複数回送り返すケースがあります。
下記の様に、「1 XABOCECLOWDS/1mona」と「1 XAMONGSTARSX/0.5mona」を設定している場合、1monaの入金が行われると、XABOCECLOWDS 1枚と、XAMONGSTARSX 2枚が飛んでくるわけです。
今回は例示のために意図的に設定してみましたが、複数のカードを売りに出したい方は、ウォレット内で別のアドレスを生成してそちらでDispenserを設定するなど、工夫してみてください。(逆に、セット売りとしてもこの特性は利用できるので、そのへんは使い方です。)
以上、長くなりましたが、モナパレットでのカード作成方法と、Dispenserでの出品方法でした。
その他、よくある質問や注意点などは下記にまとめてあるので、何か困ったことがあったらご参考ください。
→モナカード(monacard) よくある質問・べからず集 by nolf7984
※後で追記したり修正したりするかもしれませんが、とりあえずのことはこれで出来るようになると思います。
モナカード制作販売までの分かりやすいまとめ記事をありがとうございます!とても助かりました。
@Chiyoko38
2021/05/01 00:14:15
モナカード制作販売までの分かりやすいまとめ記事をありがとうございます!とても助かりました。