本記事は、webアプリケーション「モナパレット」でmonacardを作成するためのチュートリアルです。 monacoinとXMPは持っていないけど、monacardというものを作ってみたい、という人向けに作成してあります。
こちらで解説しています。今回の記事は、前回の記事の続きとしての位置づけです。
モナパレット上では、下記の5段階の操作を行います。
1. ウォレットを作成する
Monapaletteにアクセスすると、下記のようなトップページに入ります。
「Enter Existing Passphrase」と書かれた欄があり、ここにある単語群を入力することで自分のウォレットにアクセスできますが、まだウォレットを持っていないのでまずは作成する必要があります。
「Genarate new wallet」を押すと、下記の通りパスワードの設定画面に移ります。
好みのセキュアなパスワード(半角英数16文字以上)を入力してから、「GENERATE NEW WALLET」を押してください。
すると、下記のように「New Passphrase」と「New Quick Access URL」、それに続く注意文が表示されます。
※パスフレーズとQuick Access URLを晒す行為は大変危険です。今回は例示のため、新規作成した資産0のウォレットで実施していますが、このウォレットは絶対に使用しないでください。
モナパレット上でも書かれていることになりますが、言い方を変えて繰り返します。
上にある「New Passphrase」は銀行の通帳・カード・印鑑・委任状・入出金履歴がすべて一緒になったような存在です。この12単語さえ覚えておけば、あなたのPCが粉々に破壊されても、正しい手順を踏めば新しいパソコンやスマホにウォレットを復旧することが可能です。
逆に、この12単語が失われてしまった場合は誰に泣きついても復旧は不可能です。また、この単語が悪因のある第三者に知られてしまった場合、その第三者によってあなたのウォレットへのアクセスが可能になります。
よって、上記の12単語、「パスフレーズ」は、将来的には誰にも見られない、かつ破壊・喪失されないような手順で保存しておいてください。例としては 「耐水性の紙に耐水インクで書き、防水ケースに入れてから鍵付きの耐火金庫に入れておく」などがあります。
さて、そんなパスフレーズをトップページの「Enter Existing Passphrase」欄に入れることでウォレットへのアクセスが可能になりますが、直に12単語を扱うのはセキュリティ上・利便性上のデメリットが大きいため、それとは別に「Quick Access URL」という機能が準備されています。
この「Quick Access URL」を経由してモナパレットにアクセスすると、最初に入力した16文字以上のパスワードを入力するだけでウォレットを開けるようになります。
画面に表示されている「New Quick Access URL」をコピーして、ブックマークへ登録し、その先のページへ移動してください。すると、下記のような画面が現れます。
この画面の「Enter quick - access password」欄へ、先ほど入力した16文字以上のパスワードを入力してください。すると、下記のようにあなたの「アドレス」が表示されます。
こうして、モナパレットのウォレットへアクセスできるようになりました。現在、新しいウォレットであるため残高は0であり、MONA,XMPともに0の値が表示されています。
今後は、このアドレスを相手に教えることで、銀行の口座番号の様に入金先を指定できるようになります。また、(残高があれば)ここからの資産の送金も出来るようになります。
原則としては、12単語をQuick-access URLをブックマークしておき、パスワードを入力することでウォレットにアクセスする、という運用が基本です。
ただし、実態としては12単語のパスフレーズを、Quick Access URLとパスワードに分解した形になるので、当該URLとパスワードを知られてしまえば同じようにウォレットは乗っ取り可能です。Quick-access URLは鍵ではありませんが、オープンな運用は避け、パスワードも厳重に管理して運用してください。
(尚、Quick-Access URLは、上記のパスフレーズがあればmonapalette内から再生成が可能なため、クラウドとブックマークを同期させていないPCでモナパレットを運用しても、永久に失われる危険性はありません。パスフレーズが保存されている限りは、ですが。)
2. monaとXMPを取得する
monaを入手する一番正当な方法は取引所からの購入ですが、本人確認したりなどそれなりに手間がかかります。現金を払わずに入手する方法としては、下記の方法があります。
一方で、XMPは取引所では扱われていませんが、有志がtwitter上で無料配布しています。
こちらのツイートへ、あなたのtwitterアカウントから、先ほど作成したアドレスをツイートに入れてリプを送ると、あなたのアカウントへXMPが送られます。
詳細はすなぎも氏作成の「モナパちゃんマニュアル」を参照してください。
3.Monapartyトークンを発行する
ここから、あるカード「XAMONGSTARSX」を発行するものとして、一連の手続きを追っていきます。
XMPとmonaを取得した人のウォレット画面は、下記のようになっているはずです。
XMPの欄に表示された、赤丸で囲まれた「+」のアイコンを押すと、このようなウィンドウが出てきます。
ここでは、カードに使うトークンの特性を設定します。各項目の注意事項を書いておきます。
・カスタム/サブアセット/ナンバー : 命名方法の選択です。「カスタム」では自由な名前を命名できます。ナンバーでは自由な名前は付けられず、「A15164905454969674422 」のような英数字の文字列が自動で割り当てられます。(サブアセットは扱いが特殊なため、今回は説明から省きます) カスタムでの命名には0.5XMPが必要ですが、ナンバーの場合は不要です。
・トークン名 : カードにつけられる固有のIDの指定です。カードのタイトルとは別に設定されますが、URLでカードのページを指定するときなどはこの値が使われるため、カードにちなんだ名前にしておくことが多いです。今回は「XAMONGSTARSX」として、12文字制限いっぱいかつ、Xで挟んで無理やりAを使いました。( https://card.mona.jp/explorer/card_detail?asset=XAMONGSTARSX など)
・説明 : 由来をかくも良し、フレーバーテキストを打つも良し。そこそこの長さの文章が打てます。
・枚数 : 1枚から設定できます。 後から追加発行はできますが、削除は出来ません。あまり数を多くし過ぎてもわけがわからないので、同人誌の部数的に50くらいで自分は作っています。
・小数で送れる : デフォルトでは外れています。トークンを小数点以下で送れるようにするか否かのフラグですが、monacardは仕様上整数でのみやりとりできるため、ここでは外したままにします。後からの変更はできません。
・DEXで売買できる :DEXは「Decentralized Exchange」の略で、非中央集権取引所を示します。取引所への上場許可フラグです。Monapaletteには取引所としての機能が備わっており、XMPや他のカードとのトレードが可能です。デフォルトでは許可していますが、自分のカードが取引所で二次流通するのが嫌な場合はチェックを外すことも可能です。後からの変更はできません。
・再移転可否 : 第三者によるカードの流通を許可するフラグです。発行したアドレスからの、又は発行したアドレスへの送付以外を禁じ、事実上二次流通を禁止します。デフォルトでは許可していますが、自分のカードが転売されるのが嫌な場合はチェックを外すことも可能です。但し、このフラグをオフにすると、そのカードを受け取った人が、カードの整理のために別のアドレスへカードを引っ越しせることすら不可能になります。後からの変更はできません。
さて、とりあえずは名前と枚数を決め、下の三項目はデフォルトの設定としておきます。Descriptionは空欄です。
ここで「発行する」を押すと、手数料として必要なmonaの量が表示されます。monaを使うのはここのみですが、この手数料分のmonaが無ければカードは発行できませんのでご注意ください。
OKを押し発行すると、下記の様に「XAMONGSTARSX」が追加されました。(今回のウォレットは自分のモノを流用しているため、既に他のトークンも存在しています。)
もし上のように「XAMONGSTARS」が追加されない場合、10分くらいしてからアドレスの右上にある更新ボタンをクリックしてみてください。(原則、情報は2~3分で更新されますが、たまに遅れることがあります。)
4.Monacardの情報を登録する
この段階ではまだイラストとの紐づけがなされていないので、モナカードではありません。この後、カードとしての情報を登録していきます。
右下、赤丸で囲われた三点のアイコンをクリックしてください。
下のようにウィンドウが出てくるので、右上の鉛筆のアイコンをクリック。
すると、アセットの設定画面が開きます。(コインでないものの、ウォレットの中に入っている「資産」のことをアセットと呼びます。)
ここで、「モナカードを設定する」にチェックボックスを入れると、下記の画面に切り替わり、設定の入力欄が出てきます。
カード名、登録者名、カードの説明、タグは読んで字のごとくです。思うように入れましょう。画像URLは、imgurにアップロードした画像への直リンを入れることになります。編集画面を入れないように注意してください。
また、こちらの項目は後から設定を変更可能です。
ここから「設定する」を押すと、カードの情報がトークンに対して紐づけられ、monacardが出来上がります。
・・・といっても、このままだと何も変化がわからないので、アドレスの右上、カードの重なったアイコンをクリックしてみてください。
登録している画像が重ねて表示され、カードが出来ていることが分かるようになりました。
以上で、モナパレットでのモナカードの作成は完了です。
5.Dispenserで売りに出す
ところで、カードはただ作るだけではなくて、カードを交換したりするなどして、相互にやりとりしてこそ面白いものだと思います。カードをTwitterで配布する方法は「モナパちゃん」が、有償で配布するには、「Dispenser」と「DEX」がそれぞれあります。
今回は、Dispenserで売りに出す方法を記載いたします。
Dispenserは、一定量以上のmonaが送られると、事前に設定したmonapartyトークンを送り返すシステムです。
モナカードがあるアドレスの右上、横向きの三点のアイコンをクリックしてください。
すると、アドレスに対する操作メニューが表示されます。
ここで、中央下の「自動販売機」をクリックすると、Dispenserの設定画面へ移れます。
ここで設定できるのは、
の4項目です。
値付けはなかなか難しい問題ですが、ATCの原画は1枚3000円~というところから考えると、50枚発行しているなら一枚100円前後くらいが相場かな、と勝手に思っています。あまり少額でも、手数料に埋もれて消えてしまうので、あんまり面白くありませんし。(逆に、1枚で3000円を付けるというのも戦略としてはアリでしょう。)
ここでは、試しにXAMONGSTARSを、0.5monaで1枚、在庫10枚として売ることにしましょう。
下記の様に入力し、「設定する」を押してから手数料画面で「OK」を押すと、この設定はアクティブになります。
設定がうまく行くと、アドレスの下に今販売しているカードが表示されるようになります。
クリックすると、各ペアの残高が確認できます。また、設定を取り消すことも可能です。
ところで、上では「Dispenser」のことを「一定量以上のmonaが送られると、事前に設定したmonapartyトークンを送り返すシステム」とややこしい言い方をしていますが、これには理由があります。
Dispenserはアドレスに対する入金を一様に解釈するため、一つのアドレス上で複数のDispenserを設定していると、一回の入金であっても複数の設定が反応し、カードを複数回送り返すケースがあります。
下記の様に、「1 XABOCECLOWDS/1mona」と「1 XAMONGSTARSX/0.5mona」を設定している場合、1monaの入金が行われると、XABOCECLOWDS 1枚と、XAMONGSTARSX 2枚が飛んでくるわけです。
今回は例示のために意図的に設定してみましたが、複数のカードを売りに出したい方は、ウォレット内で別のアドレスを生成して、そちらでDispenserを設定するなど、工夫してみてください。(逆に、セット売りとしてもこの特性は利用できるので、そのへんは使い方です。)
以上、長くなりましたが、モナパレットでのカード作成方法と、Dispenserでの出品方法でした。
※後で追記したり修正したりするかもしれませんが、とりあえずのことはこれで出来るようになると思います。
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