HAZAMAの謎が解けないまま9月になりました。ググってもプレスリリースしか引っかからないんですが、どうすれば。
RPGツクールMVでノベルゲーム(電子書籍)を作る生体機械であるところのNAKです、こんにちは。フォントライセンスをちゃんと確認せずに使ってえらい目に遭ったので、その話をします。
というわけで、前にメモログに宣伝記事も書いた『賽を振る女』の話です。
この作品では「はんなり明朝」を使用しています。かな文字がとても素敵な明朝体ですが、漢字はIPA明朝で補われています。すなわち、IPAフォントライセンスv.1.0が定義づけるところの「派生プログラム」です。まぁわかりづらいので「IPA派生フォント」と呼びます。
ところで、IPA派生フォントの再配布には、ある条件が課せられています。
第3条 制限
1. 派生プログラムが前条4項及び7項に基づき再配布される場合には、以下の全ての条件を満たさなければなりません。
(2) 派生プログラムの受領者が、派生プログラムを、このライセンスの下で最初にリリースされた許諾プログラム(以下、「オリジナル・プログラム」といいます。)に置き換えることができる方法を再配布するものとします。かかる方法は、オリジナル・ファイルからの差分ファイルの提供、または、派生プログラムをオリジナル・プログラムに置き換える方法を示す指示の提供などが考えられます。
「IPA派生フォントを再配布する場合、元のIPAフォントに置き換える方法を案内してください」ということになります。
さて、ノベルゲームにIPA派生フォントを含めたらどうなると思います? IPA派生フォントの再配布をしているわけですよね。つまり、そのゲームにはIPAフォントに戻す機能が必要なんですよ。そうとしか解釈できません。
(補足:その他の条件については「はんなり明朝のダウンロード先を提示する」「ライセンス本文を添付する」ことで守れていると私は解釈しています)
困ったことに、はんなり明朝は2.8MB程度なんですが、IPA明朝は8MBあるんですよ。私がノベルゲームエンジンにしているRPGツクールMVは、フォントロードに若干の困難を抱えていて、あんまり重たいフォントは扱えません。扱えませんが! IPA明朝の中身を少しでもいじると派生フォント扱いになるので! そのまま使うしかない!
既に、河原つつみさんの「オプション追加ベース」でオプション画面を拡張していたので、そこにフォント変更の項目を追加しました。オプション画面で設定した値に応じて、シロガネさんのMultiFontによるビットマップとウィンドウのフォント変更が動作するように改変すれば完了です。
なお、複数フォントのロード処理は、トリアコンタンさんのFontLoadを利用しました。「フォントのロードが終了するまで待つ」と案の定フリーズするので、そのオプションは無しです。
そして、壊れるフォント描画。
この画面が出るのは起動直後のみで、環境設定や音楽室を表示したり、ゲームを始めたりすれば即座に直るんですが、格好悪いと言えば格好悪いですね。
自分で言うのも何ですが、割と私のパソコンのスペックは良い方だと思います。それで、フォントロード失敗の画面が出ることあるんで、私の環境よりスペックが低いとバグる確率は上がるでしょう。
さらに、IPA明朝が起動時のフォントとして設定されていると100%フォントロードに失敗するので、フォント設定だけは次回起動に引き継がないように小細工しました。これは、ええやろ、別に。
どうしても、はんなり明朝が使いたいんだよ! この書体で画面調整して散々デバッグしたから今更変えられねえよ!
問題はサーバー実行した場合です。テストしていませんけれども、ほぼ確実にRPGツクールMVは耐えられませんね。RPGツクールMVはフォントロードが20秒以内に終わらないとエラーを返すんですよ。ローカル実行でもバグるのに、サーバー実行したらまず無理だよ!
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源暎こぶり明朝も割と好きです。私は源暎シリーズだと「ラテゴ」「ラテミン」が好きなんですよね。なんかこう、格調高くて良い感じじゃないですか。
というわけで、ブラウザ版は「源暎こぶり明朝」に置き換えるという対応と相成りました。うん。なんかもうごめん。すまない。
ライセンスはちゃんと読もう(当たり前)
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