『Raiot』は、かの『質問箱』を開発した人が作った「pixivとは違ったイラストSNS」です。
今から約2年前に起きた『質問箱』の大フィーバーぶりは記憶に新しい人もいるでしょうし、次の記事が当時の熱狂をよく表しているので、説明はそちらに譲ります。
TechCrunch Japan「
ローンチ1ヶ月で月間2億PVペースの「Peing – 質問箱」をジラフが買収、世界展開目指す」
さて。
『Raiot』の新しかった点は、ランキングはなくて新着のみ、絵に対して「絵文字」で評価をつける、この二点だと思います。ただし、このコンセプトは当然のように模倣されました。『
ポイピク』『
かべうち』などが後発の同種サービスでしょう。
『質問箱』の直後だったので、『Raiot』はけっこう人が集まったんですよ。私も『Raiot』のアカウントを作りました。
ただ『質問箱』ほどには盛り上がりませんでした。これは推測ですが、コンテンツ投稿型のサイトで、ランキングなどの評価を排してしまうと、人は集まりにくいんじゃないかと思います。特に「見るだけ」の層はなかなか来ません。だって、「見るだけ」の人にとって、何を見るかの手がかりはランキングですからね、やはり。
『ポイピク』『かべうち』は、ツイッターとの連携を前面に打ち出すことで人を呼び込んでいるんじゃないかと思います。この辺は『
Privatter』に近いものがありますね。
(2019/12/23訂正:『ポイピク』には人気のイラストを表示する機能があるようです。ただ、少なくとも順位付けはしていません)
開発者の方は、良くも悪くも移り気な方で、『Raiot』が『質問箱』ほどに盛り上がらないと気づくや否や、別のウェブサービスの開発に乗り出します。その内の一つであるテキスト投稿サービス『
scraiv』のベータテストに参加して、いろいろと思うところがあったのですが、長くなりすぎたので別の機会に書くことにします。
開発者の方は「
長期にウェブサービスを運営するのが苦手である」とnoteにも書いています。だから、ある程度ユーザーが集まったウェブサービスは売却してしまいます。ところが『Raiot』は売却先が決まらなかったようで、おそらくはドメインの失効によってアクセス不能に至ったのが12月16日頃のことです。
開発者や『Raiot』公式アカウントにはいくつか問い合わせのリプライがなされていますが、現時点では無視されています。今後も対応しないとしたら、ちょっと問題なんじゃないでしょうか。
きっと『Raiot』のPVはさほどではなかったのでしょう。少なくとも開発者の関心が向くようなPVではないのでしょう。複数枚の画像を投稿した際に、表示がおかしくなるバグは放置されたままでした。
しかし、『Raiot』には課金要素もありましたし、利用者が全くのゼロというわけではありません。かつて『質問箱』を作った開発者が、夜逃げ同然に『Raiot』を閉じたというのは、見ている人は見ているでしょう。「こいつの作ったウェブサービスは信用ならん」という評価をするのは、『Raiot』を使っていたユーザーだけではないと思います。
2019/12/24追記
このメモログ、各所にリンクが貼られており、(私比で)アクセス数が伸びているので、Raiotのサーバー情報と資金決済法に基づく表示を転記しておきます。
Raiotサーバー:150.95.186.202 (v150-95-186-202.a0ed.g.tyo1.static.cnode.io)
24日現在、まだ有効です。ただし、raiot.netが失効しているため、SSL証明書のエラーが出ます。念のため、試される場合は自己責任でお願いします。
画像データは全てcdn(一種のキャッシュ)に格納されており、IPアドレスではアクセスできないようです。raiot.netが失効している状態でcdn.raiot.netにアクセスする方法ありますかね?(たぶんCloudflareだと思う)
分かる方のツッコミお待ちしております。
資金決済法に基づく表示:
スクリーンショット
発行事業者は「
004 LLC.」で、住所は「
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目17番地11号 パークハイツ池袋1105号」です。住所を画像にするような真似してるからテキストに転記しておきました。バーチャルオフィスの可能性は高いですが……。
少し調べてみましたが、Raiotの「ハート」は資金決済法に基づく前払方式支払手段に該当しないように定められており(有効期限が6ヶ月未満)、返金を要求することはできません。できませんが、あまりにやり口が汚いので、ハートを購入した人は上記の情報を「
消費者ホットライン」である「188」に流すくらいのことはやってもいいと思います。
@rinkoski
2019/12/25 11:33:22
そんなに使ってなかったですが、使用感が良かっただけに終わり方が残念ですねぇ…