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暗号通貨とウェブの未来を考える

タグ: 暗号通貨 

お前は誰 / このテキストは何

twitter @mizchi で 、最近興味をもったフリーランスのプログラマです。主に JavaScript でゴリゴリ動く UI を作る人です。

ここ最近、2ヶ月ほど暇を見つけては暗号通過を勉強していました。自分で ethereum の test network を動かしたり、簡単なスマートコントラクトを書いたり、そもそもブロックチェーンを自分で実装したり、トレンドのニュースにキャッチアップしたり…

そうしてる間に、ようやく bitflyerとcoincheckの審査通ったんで、関連サービス見て回ってて、前から気になってた monappy にテキストと投稿機能があるのに気づきました。

勉強した結果、仮想通貨に未来を感じたので、その所感をここに書いています。知ったかぶりして適当に書くと上から目線で殴られて勉強になるというメソッドです。

そもそも論: 現在の全ての通貨は、実体のない信用ベースの「仮想的な中間媒体」である

そもそも今の非暗号通貨への価値は信用によってのみ成り立っています。我々は政府というという幻想を信じていて、銀行の発行する通貨に対して一応の信用を置いていることになっています。100年ぐらい前まで金本位制でしたが、今の価値担保は、政府という組織への将来に渡っての連続性への信頼でしか成り立っていません。

そもそも論でいうと、あらゆる非暗号で金(銀)本位ではない通貨は、政府への信用に寄って成り立つ「実体のない仮想通貨」であると考えられます。金への信頼も幻想という言い方ができます。

暗号通貨に本質的な価値があるのか

技術的には、今の仮想通貨の価値は、Mining Difficulty、それへの電力的な担保が裏にあります。そしてその電力は、現実的な採掘量でいうと日本ではなく中国の電力事情に依存しています。

電力を消費して特殊な暗号を生成し、その特殊な暗号に価値があることを、ネットワーク上のブロックチェーンが承認することで、価値が発生します。特殊な暗号自体は何にも役に立ちませんが、作るのに掛かる労力と取引で使えるという二点で中間的な媒体としての(金銭的な)価値が発生しています。

なので、自分の意見としては、「価値はある。ただしその価値は各国の電力事情による」という結論です。暗号通貨は単に電力から取引可能な形に変換されたものです。仮にエネルギー革命が起きて電力がほぼ無限になった場合、Proof of X は電力的な価値担保より生成に掛かる時間的な担保が優先されるでしょう。

最近の仮想通貨の値上がりの一因は、カタルーニャ、ベネズエラ、ジンバブエの政情不安という話も聞きます。政府が信用できないから仮想通貨を買うというわけです。

納得行かない人は、自分で手を動かしてブロックチェーンを実装してみてください。それが一番わかり易いです。その後ナカモトサトシ論文を読むと納得感があります。

「今の仮想通貨」は価値を持ち続けるか

直近の話で言えば、BitCoin 崩壊のシナリオは、中国政府が Mining を規制してブロックが追加されなくなり取引が滞り、全部塩漬け、という感じだと思います。

次に、今の最初期のICO組が目的を果たせなかった場合。これはいわゆるKickStarter幻滅期と似たような雰囲気で、ある程度資金が引き上げられると予想されます。

将来的には? 今の仮想通貨の価値は、既存の非暗号通過に対しての技術優位によるものです。だから、次世代の仮想通貨の技術優位によって価値がなくなることはありうると思っています。民主的で、マイニング手法に納得がいって、スケールし、手数料が少なく、持続的なもの… 理想的ですね。存在しないことを除けば。

未来の暗号通貨

直近だとサイドチェーン技術(GitでいうCherry Pick しまくるブランチのような理解をしています)。Raidenの売り文句が本当なら、とりあえず直近の仮想通貨の需要は賄えそうですよね。

https://raiden.network/

Raiden や BitCoin Lightning Network のサイドチェーン技術が可能だとしたら、もっとスケールするのはわかるんですが、結局どこかに調整処理が必要になって, 誰かがアムダールの法則のツケを払う、みたいな可能性はゼロではなさそう。

次が、来るべき Proof of X, 適正に difficulty が担保され、かつ誰もが納得いくマイニングの手法が発明されたら、皆こぞってそれに移行するでしょう。何かはわかりません。これが発明されたら RSA 暗号並だと思います。

なんとなくですが、最終的には表面的な価値とは別に、もう一層隠蔽された別オリジンのブロックチェーンが複数あって、それぞれが相場に応じて自動的に換金されるような仕組みになりそうな気はします。全部統合された後の時代ですが。

ウェブの未来

これです。今ブラウザを通して見ているこの画面が今のWebです。自分はこのWebを主戦場にするエンジニアです。

僕は、今のウェブは歪であると認識しています。その1つが広告とそれを通したマネタイズです。いわゆるアフィリエイト。今のWebは、一部の課金サービスを除いて、基本的には広告ベースの世界です。Google があれだけ巨大な会社になったのも、ウェブの入口である検索エンジンの広告を握ってるからです。

ウェブで稼がないといけない人間は、それに最適化されていきます。これはもう呪いのようなもので、あらゆるテキストは広告を踏ませるものになり、会員登録を促すものになり、その数値を改善するためだけの施策が打たれます。

この現状は、ウェブに提供されるコンテンツそのものにとってよくないことだと認識しています。コンテンツそのものに注力することが出来ないので、ユーザーの体験よりも広告へのコンバージョンが優先されていきます。提供側はいかにユーザーを騙してどう広告をクリックさせるかばかり考えるようになり、良いものを作った結果で対価を得る、という気持ちが失われていきます。

有料コンテンツ、或いは善意の投げ銭でテキストを書く人間が適度に報われるようになれば、アフィリエイトに最適化したテキストを書く必要もなく、コンテンツの質自体で勝負できるようになる時代が来ると思っています。そのために必要なのは、民主的な少額決済システム、暗号通貨というわけです。

Monappyの次世代感

Monappy をみていいなと思ったのが、マーケットプレイスや投げ銭システム。登録者全員がウォレットを持ってて、それで受け取ることが出来る、のがいいですよね。なんかうまいことやると金が発生する期待感があるのが、とてもワクワクします。

自分は絵が書けないのが歯痒いんですが、技術書を書いたり、ゲーム作ったりは出来るので、なんか使い所がありそうという気がしています。

暗号通貨のSNSという位置付けによって、金が回りやすいインセンティブもあると思います。特定の暗号通貨ベースで遊べる賭場みたいなサービスは流行りそう。

と同時に、Monappyの限界はMonacoinの供給を、マイニングか外部サービスからの転送に頼っていて、参加障壁が高いのも事実。たとえば、monappy 登録前に友人から tipmona を貰ったんですが、 0 mona だとそれを引き出すことがなかったので、bitflyer から転送しました。

広告か、有料コンテンツか、投げ銭か、coinhive か

coinhive はウェブサイトの訪問者のCPUでマイニングするスクリプトを仕込むサービスです。coinhive はユーザーのCPU資源を奪うスパム扱いされることが多いんですが、自分の意見はちょっと別で、広告か coinhive かを選ぶ自由がユーザーにあってもいいと思います。あくまで選択肢として、です。

無許可の coinhive がよくないのはそうなんですが、その理屈で言うと、無許可の広告も良くないってことになりますよね。ユーザーに無許可で視界と動線とユーザー体験とCPUを奪っています。営利サイトで課金か広告かマイニングかユーザーが選ぶ権利はあってもいいと思うんですよね。(現状 coinhive の monero のCPUマイニングは効率悪すぎなんですが)

Google が SEO で coinhive にペナルティを課すかもみたいな牽制をしているのは、Google の主戦場である広告から外れてしまうからだと邪推しています。

インターネットの民主主義

インターネットは伝統的に反権威主義でありアナーキズムの技術です。暗号通貨はよりその側面が強いです。そのようなインターネットの民主主義への期待感について、yatteiki.tv という企画で、Youtube生放送で喋ったので参考までに。

【ゲスト:geta6】×【mizchi×itopoid】生放送なら凍らないっ! #03 https://www.youtube.com/watch?v=ACEDWrmuTLs

暗号通貨の取引に関しては、現状なぜか日本が一番寛容なので(税制は辛いですが…)、このチャンスを活かすなら今で、これからサービスを作っていくところだと思います。ウェブを良くするための機は、今熟しているはずです。

ただ、正直言うと相場は安定してもらいたくて、そのためにはもう一回ぐらい相場が壊れてもらってもいい。安定しない相場の通貨はインフラとして成立せず、マネーゲーム以外では使えないからです。

中国で電子決済の分野で思いっきり負けてるのが現状なんですが、日本政府もきっとこの分野での巻き返しを図りたくて、仮想通貨に寛容になっていると予想しています。

そして中国はおそらく暗号通貨に力を入れることがない。なぜなら決済の電子化は賄賂や裏金対策などであって、アナーキーな技術は排除する傾向があります。そしてそれが中国の安い電力に依存するマイニングの持続性にとって、一番のクリティカルなポイントではあります。

というわけで日本にいるメリットを活かしつつ、今新しく何かに手をつけるなら暗号通貨を使ったウェブサービスだという話。皆決済システムばっかり作ってて、その応用はまだブルーオーシャン。

法や税制的にまだ整っていない世界ですが、今一番未来を感じる分野で、そしてやるなら今このとき。

  • 公開日時:2017/12/27 10:25
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コメント


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名無しさん

キャッチアップ、スケール、コンバージョン、アナーキー、メソッド、Cherry Pick...

2018/01/02 18:20:40

@izumo

個人的には、仮想通貨はビットコインが潰れてからが本番だと思っています。非中央集権とコミュニティの対立が災いして、決められないビットコインはアップデートできずに時代遅れの通貨になっていくと思っています。
有名所が潰れることによって『技術的に劣っている通貨は淘汰される』という認識が一般にも浸透し、そこからが、本当の仮想通貨の幕開けになるのではないかと思っています。

それより、「殴られて勉強になるメソッド」って良いですね!私も殴られたい!

2017/12/30 03:53:53

@LaughingKettle

difficultyの調整は2016ブロック固定なので、全力でdifficultyを上げた後でマイナーが抜けたらいつまで経っても2016ブロックにたどり着けなくなります。無限の時間があればいつかたどり着けますが、その前に送金できず通貨としての機能を果たせなくなったビットコインの価値が暴落し、暴落したことでさらにマイナーが抜け、というサイクルに入ったら他の通貨に主軸を奪われる可能性はあります。
このシナリオは、ビットコインキャッシュがビットコインを殺す方法としてよく噂になっていました。

2017/12/28 01:17:53

@mizchi

@ymdsmn
difficulty は現在のブロックの長さで単調増加する、と覚えていたんですが
ビットコインは2016ブロックごとに掘られた速度を元にdifficulty を再算出するんですね、知らなかったです
たしかに、この場合はご指摘の通りMining が詰まるってことはなさそうです

https://en.bitcoin.it/wiki/Difficulty

2017/12/27 15:39:30

@ymdsmn

> BitCoin 崩壊のシナリオは、中国政府が Mining を規制してブロックが追加されなくなり取引が滞り、全部塩漬け、という感じだと思います
自分の勘違いかもしれませんが…
中国含め主要なマイナー勢が去った場合でも、difficultyが下がることで少数のマイナーで採掘され続けられると思うんですがどうでしょう?
政府の規制等がなかったとしてもブロック報酬がゼロに近くなる頃に起こることだと思います。

2017/12/27 14:41:15

@mii

おもしろく読みました(難しかったですが)。アフィリ全盛グーグル万歳だけでは困ったとな思い続けきたので、ぼくもモナコインやビットゼニー、ビットコインキャッシュの投げ銭やってます。モナゲしときますね。続き読みたいです。

2017/12/27 13:57:04