メモログ

機械人間 (&-24)〔218〕機械に近いと思う人間の回顧

2980MF
2018/03/25 08:59


 より深い深呼吸をし、自分の心を落ち着かせて、もう一度、自分の隣を確認すると、女性Lが、自分の隣にいた。その会場に存在した、多くの同級生達のように、その身を着飾った状態で。
 間を置きながら、何度も、隣の女性の姿を盗み見る事で、自分は、其の女性を女性Lだと確信できた。
 自分は、悪夢のような状況で、その会場にいたから、夢を見ている自分が、夢の内容で釣り合いがとれるよう、女性Lが自分の隣に座っている夢を見ているかとも、思ってしまったけれど、其れは夢ではなく、現実であった。
 式典が始まってすぐ、自分は、一度、離席し、会場の外に出て、降雪の状況を確認しながら、一服しても、自分が夢から覚める事がなかったから。
 自分は、一服しながら、会場の内と外を、繰り返し見ていると、自分がとても場違いな場所にいるような気がした。
 成人式の会場にいた多くの人達は、この催しを人生の晴れ舞台と捉えた上、参加する為の努力をし、その身を着飾っていたように思えたから。
 この催しに、何の感情も抱かずに、参加する理由を失った上、惰性で参加してしまった自分が居るべき場所でない気がしたから。
 そして、自分は、女性Lの姿を思い出しながら、自分と彼女との縁について考え始めた。
 自分と女性Lは、どちらかが、とても積極的に行動すれば、交際できた気がした。けれど、そうはならなかった。
 多分、そういう行動をとるほどの価値を、見出せなかったからだろう。
 其れと、女性Lは、彼女の家族に、男除けとして、国産高級乗用車を使用させられていたので、自分は彼女を、自分と交際する事で、蓄えを持たない生活に、引きずり込んでしまう可能性に、凄い嫌悪感を抱いていたから。
 自分は、彼岸から対岸を見比べる心持ちで、自分と会場にいた多くの同級生達を見比べてから、一度、自分が座っていた席に着席した。
 その時、自分は、女性Lと、ほんの一瞬だけ、目があった気がする。彼女から、自分に声をかける事も無かったし、この数分後、式典の途中で、自分が会場をあとにする時も、彼女が、自分のあとを追う事が無かったので、自分は、彼女と会話する事もなく、約二年ぶりの再会であり、最期の邂逅ともなっている時間を後にした。
 そして、一刻も早く、帰寮しようとしたけれど、その日の帰寮が、叶う事は無かった。
 其の翌朝、自分は祈りながら、学校に電話してみると、大雪の為、臨時休校となっていてくれたから、自分の留年が確定せずに済んだ。

本文は以上。
 続く。
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